赤ずきんと狼。
べつにって…。
何したのよ、私に…。
まさか…
「だからきたねぇマネはしてねぇって」
私が思ったことを察したのか狼がさっきよりきつい口調で言った。
そして、声のトーンを落として
「行くぞ」と洞窟から出た。
私も黙って、洞窟から出ると雨は降り止んでお日様が出ていた。
なんだろう。
この複雑な気持ち。
不安なようながっかりしたような不信なような…よく分からない。
とにかく目の前にいる狼とカベが出来たようで、少しさびしいような…気がする。
でも
お日様が照る
遠くのほうを見つめる荒月の顔は結構がよく
冷たい目は澄んで綺麗で
私は見惚れてしまった。