赤ずきんと狼。
家に帰ってすぐに咲に電話をして、咲は家に駆けつけてくれた。
「なんで狼の事で泣いてるのよ…」
咲は困惑が隠せないようだった。
「私、荒月のことフッちゃった…」
「だからなんでクスギが泣くの?」
なぜか涙が止まらなかった。
「罪悪感―」
そういうものなのだろうか。
胸が苦しめられる。
初めて告白されたからって簡易に答えを出したくない。
そんなのでこの感情を解釈したくない。
何かがぷっつりと切れるようだ。
「でもさ…クスギの場合、その答えしかないじゃん」
咲も苦し紛れで言葉をこぼした。
「だけど…だけど…荒月を傷つけたくなかった…」
「じゃあ荒月と付き合う事が出来るの?」
私はその問いに大きく首を振った。