赤ずきんと狼。




私はまた気晴らしに中学校へと向かった。


中に入ることはないけどね。



遠くから見てるだけって変かな?



これが中学校じゃなくて人だったら私はストーカーになっちゃうよね。



「わぁ!!」


「わぁ…!!」



後ろから誰かに驚かされた―と、思ったら流本だった。



「もぉ~、ビックリしたぁ~」


「ごめんごめん」


流本はいつもみたいにいたずらっぽい顔で笑う。



昔から変わらないその笑顔。


彼の笑顔に何度助けられたことか。


「また外から学校を見てるの?」


「うん、流本は?」


「俺は部活が休みの日は、中学校に行って後輩にバスケ指導してる」


知らなかった。



流本は今でも中学校と関わりがあったんだ。



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