赤ずきんと狼。
無言で歩く道は気まずかった。
何かがおかしい―それはきっと咲とのことだ。
もしかして・・・
「ごめん」
私は小さな声で流本に謝った。
「へ?」
流本は目を丸くする。
「もしかしたら、咲・・・誤解してるかもって・・・」
「誤解って・・・?」
私は小さめな声で言った。
「・・・私と流本が一緒にいたから・・・」
その言葉に流本は声をあげて笑いだした。
「違う違う。てか、よくそんな発想出てくるよなぁ。」
「えっ!?女の子って誰だってそんなこと思うよ!!」
「女は被害妄想しすぎ」
フフッと笑ってから、流本は落ち着いて言った。
「違うから・・・」
その声は低かった。
いつもの笑顔なのに・・・。