赤ずきんと狼。
流本は力を抜き、ため息とともに肩を落とした。
「・・・別れるより、お互いの心が離れたまま付き合っているほうがつらいだろ・・・」
そういうものなのかな・・・。
私には咲と別れた今の流本もつらそうに見えるけど・・・。
「わりぃ・・・先行ってて。」
流本は顔を伏せる。
「ごめん・・・」
消えかかった声で。
「分かった、バイバイ。」
私は彼に背を向き、歩き始めた。
分からない・・・。
分からないよ・・・。
彼らが出した決断は正しいものなのか・・・。
そして、私も
いつかそんな決断を出さなければいけないのか・・・。