赤ずきんと狼。


でも、あれから二ヶ月も経つ。


「別れてから流本のこと避け続けてきた。


避けるというか学校でクラスは違うから会わないように。


だけど、今日は思いがけないところで会っちゃって

油断してたからちょっとつらかった。」



頭を壁により掛ける彼女は微笑んだ。



「もう・・・流本のこと好きじゃないの?」



私の問いに彼女は静かに首を振る。



「好きじゃないと言うとウソになる。

・・・けど、早く忘れたい。」



なんで好きなのに忘れなきゃいけないの?


なんで好きなのに別れなきゃならないの?


流本だって別れたくなかったはず。


だって・・・今の咲と同じ・・・


すっごくつらい顔をしているもん・・・。



< 163 / 171 >

この作品をシェア

pagetop