赤ずきんと狼。
「あの・・・ごめんなさい」
「なんで謝るの?」
「えっ・・・だって・・・私が変なこと言って・・・」
「聞いたのは私じゃん」
言葉が詰まる。
勇気を出して言ったのはいいけど何を言えばいいのか考えていなかった。
先輩はため息をついて、近くにあった机に腰掛けた。
「私もさぁ八つ当たりかもしれないけど・・・」
彼女は呟く。
「やっぱりあいつに見せつけたい。私をを振ったことを惜しませたいし。
それでいろいろ考えて、男をたぶらかしていたけど、つまんない。
どうすればいいと思う?」
急に質問されて私は戸惑う。
「えっと・・・本当に好きになれる新しい恋人を探すとか・・・」
苦し紛れで言った私の答えに先輩は微笑んだ。
「つーか、それしかないよねぇ」
彼女は机から降り、準備室から出る。
私もそのあとを追いかけた。