赤ずきんと狼。



荒月はそれを気にせず問う。



「お前、あいつと付き合ってるのか?」



あいつ…。

たぶん、サトル君のことを言ってるだろう。



時々、私がサトル君に用があってサトル君の教室に出入りしているのを荒月はたまたまそれを見掛けるみたいだし。



「うん、そうだよ。」



私は荒月の目を見ると荒月は目をそらし、難しい顔をする。



「あいつと関わらないほうがいい。」


「へ?…」




何言ってるの?狼。




「って言ったって無駄か。」



そう言うと、狼は教科書とノートを開いた上に体を寄りかけ寝る態勢を作る。




何…それ…。



サトル君に何かあるんじゃないかって不安になるじゃない。



バカ…。





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