赤ずきんと狼。



「白杉さん…。」


北川先輩が心配そうに私を見つめる。



「私…サトル君の家行ってきます。今日はこれで失礼します。」



私は私物を片づけ、先輩たちに一礼をしてから美術室を去った。



思わず飛び出しちゃったけど、正直、サトル君の家を知らない。



こう思えば、私ってサトル君の事に関しては全然知らないんだ…。








「チッ」



誰かが舌打ちを通り過ぎる。




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