赤ずきんと狼。
涙は出てこない。
喉が渇く。
嘘だよ…だってサトル君は私のこと好きって言ってくれたもん。
そうだよ。
だって、サトル君は…
「どこ行くんだよ。」
立ち上がり歩き出す私に狼が突っかかる。
「帰るの。」
私は吐き捨てるように言う。
「俺が言っていることちゃんと理解した?」
私は返事をしなかった。
心が空っぽで何も話したくなかった。
私は帰り道をただひたすら歩き続けた。
誰に何と言われようと
私はサトル君の事が好き。