赤ずきんと狼。
どうしよう…、救急車…。
私はケータイを開いたが、すぐに閉じた。
こんな所で騒ぎを起こしたらサトル君が…。
「仕方ねぇな」
私の横からスッと現れ、そのまま軽い物を担ぐようにサトル君を背負った。
「荒月…なんで…」
戸惑う私に追い討ちをかけるようにギロリと睨む荒月。
「お前、分かりすぎ。なに授業中、決心してんだ。」
あっ、見られてたのね。
「ふん」
俺を舐めんなと言わんばかりに大股で歩いていく荒月。
私はその後ろで小走りで付いていった。