赤ずきんと狼。



私は自分の部屋のベッドに寝っ転がり、



ケータイのアドレス帳を開く。



『サトルくん』


その文字に手が止まる。



電話…したい。



だけど…なんて言えばいいのか分からない。



私たちもう終わったんだ。




もぅ…終わっちゃったんだから―。









泣きながら電話をかけた先は咲。



「もしもし?」


咲の明るい声が聞こえてまた涙があふれる。



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