赤ずきんと狼。
「咲・・・」
「どうしたのクスギ!?泣いてるの!?」
戸惑う咲に私はきっぱりと用件を言った。
「私…サトル君と別れちゃった…。」
そう言って私は声を出して泣いた。
今、自分で”別れた”と言って、
サトル君との想い出はすべて思い出になってしまった。
サトル君と一緒にいた日々、
サトル君の笑顔、
初めてのキス、
すべてが思い出として、
もぅ彼と振り返ることのない思い出として、
途絶えてしまった。