赤ずきんと狼。




「そーんなしょげるなって、冗談なんだから♪」



電話に聞こえる笑い声は咲のものだって分かるけど、



それは私を元気付けようとしている。




ごめん咲、やっぱり咲にも迷惑かけちゃってるね…。



「とりあえず、ちゃんと自分が思ってること言っちゃいなさい。」




咲は優しい口調になった。



「私はいつでもまた聞いてあげるから。」



「ありがとう…。」



私たちは電話を切ると、一気に静寂に包まれた。



< 60 / 171 >

この作品をシェア

pagetop