赤ずきんと狼。
「そーんなしょげるなって、冗談なんだから♪」
電話に聞こえる笑い声は咲のものだって分かるけど、
それは私を元気付けようとしている。
ごめん咲、やっぱり咲にも迷惑かけちゃってるね…。
「とりあえず、ちゃんと自分が思ってること言っちゃいなさい。」
咲は優しい口調になった。
「私はいつでもまた聞いてあげるから。」
「ありがとう…。」
私たちは電話を切ると、一気に静寂に包まれた。
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