赤ずきんと狼。
上の空、オオカミ
俺はケータイを開く。
―が、またすぐに閉める。
ベッドの上、俺は何回これを繰り返したのだろう。
「ねー?何やってるの?」
隣にいる千恵美がつまんなそうに俺の腕をグラグラ動かす。
「何って…ケータイ見てるんだよ」
「そんなの見てれば分かるよ。
まさか…チエミ以外に女がいるの…?」
女って被害妄想激しいよな。
まー、その原因は俺かもしれないが。