大嫌いでも、大好きだから。



「あいつ、一人で出来るからいいって」
「そうなの~? じゃあお願いするね~」


そんな事、私一言も言っていない……!

言いたかったけれど、言えずに私は黙って下を向いた。


チラリと前を見ると、
二人は密着して顕微鏡を見ている。



「西野君と鈴ちゃんって付き合ってるのかな」
「分かんない。けど美男美女でお似合いだよね」

そんな女子たちのコソコソ話が聞こえてきて、
私は泣きたくなった。
< 19 / 50 >

この作品をシェア

pagetop