大嫌いでも、大好きだから。
「……あ!」
それは放課後。
廊下で友達と親しげに会話をする彼を見つけた。
ドキドキする心臓と乱れる呼吸を整え、
壁に隠れながらそっと姿を覗き見る。
彼の名前は西野梓(にしの あずさ)。
整った顔立ち、すらりとした体格。
性格はとてもクールであまり他人は近寄りたがらないけれど、意外と優しかったりする。
そう。
私は梓に恋している。
ずっと、ずっと。
小学生の時から、今まで5年間、ずっと。
彼に片想いをしている。