大嫌いでも、大好きだから。



「あ、えと……」

私は口ごもって梓から目線を反らした。


親友とは言っても、鈴は私が梓の事を好きだと知らない。

彼を見ていたという事を知られるのは、
恥ずかしくもあり情けなかったからだ。



「お、鈴。おはよ」

「おはよん、西野」

そうこうしている間に、
梓が私たちの方にやって来たらしい。


梓は鈴に挨拶をして、優しげに微笑んだ。

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