大嫌いでも、大好きだから。


けれど。


「何こっち見てんだよ、お前」
「……っ!」


冷たい瞳。

また、だ。


「ちょっと西野」
「なに?」
「しーちゃんにそんな言い方しないでよ!」

慌てて鈴が梓の制服の袖を引っ張った。
それでも梓は強引にそれを振り切って、歩き出す。


「お前、うぜぇんだよ」

そう吐き捨てて、梓は教室に入っていった。
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