恋〜彼と彼女の恋愛事情〜
暁と舜君と一緒に行った水族館。
お弁当を『おいしい』って食べてくれてたっけ。
泊まりに行ったときも、一緒にゲームして隣で眠ってたよね。
すごく可愛い顔して笑って。
びっくりするくらい人の気持ちが良く分かって、ちょっと生意気で・・・。
・・・お願い。
・・・舜君、良くなって。
・・・暁を一人にしないで・・・お願い・・・。
・・・また純ちゃんって呼んでね。
・・・・あ、もう彼女じゃないけど。
どのくらい座ってたんだろ。
「・・・純?」
聞き覚えのある声。
ハッと顔を上げると、
「あ、暁・・」
涙がでそう・・・まだ、こんなに好きなんだ。
「し、舜君・・・は・・・?」
「・・・大丈夫だったよ。持ち直した」
「そう、良かった」
本当に良かった。
「きた時は、一時期危なかったらしいんだけど、舜が頑張って・・・今落ち着いたところ」
「そっか」
ほっとしたら・・・あ、あ~、私迷惑じゃなかった?
こんな時間まで待ってるなんて・・・。
ダメじゃないか!
帰ろう。そうよ。うん、帰ろう。
でも、一言
「あ、あの、迷惑じゃなかった?」
「・・・迷惑じゃないよ。・・・いてくれて助かった」
やっぱり・・・優しいね暁は。
そんなところ大好きだよ。
「じゃ、私行くね」
椅子から立って帰ろうとすると
「待って」
腕をつかまれた。
「あ、暁?」
うあっ。
好きだって素直に認めちゃったら・・・いつもより緊張するんですけど・・・。