恋〜彼と彼女の恋愛事情〜
暁
教室をでてぶつかったのは純だった。
「私も一緒に行く」
俺の不安を察してか一緒に着いてきてくれる?
・・・すごい嬉しいけど・・・周りがみてるよ?
「いこう」
全然気にしないんだな。
余裕がねぇのかな。
タクシーに乗り込むと頭は舜の事でいっぱいになる。
母さんからの電話。
「舜が学校で発作を起こして、病院に運ばれたんだけど・・・危ないって言われて」
「なっ・・・」
「ああ、でも、持ちこたえたのよ何とかね。でも暁のこと呼んでるから、これから来られる?」
「わかった行く。・・・本当に大丈夫なんだよな?」
「ええ。・・・タクシーは呼んでおくからそれに乗ってきて」
「わかった」
大きい発作は命が危なくなる。・・・舜が病気になってから何度も言われた言葉だ。
顔を見るまでは安心できねぇ。
もし、ダメになってたら?行く間にまた発作が起きたら?不安でいっぱいだった。
その時
「大丈夫」
そう言いながら、背中をなでてくれる。
・・・ありがとう。純。
病室に入ると青白い顔はしているものの、呼吸をしている舜を見て安心した。
母さんから事情を聞いて、今日は泊まると言うので俺は帰る事にした。
明日の朝、また来ることを告げて病室をでた。
時間は20時を過ぎていた。
純は・・・帰ったかな。
・・・電話しよう。
お礼が言いたい。
・・・それよりも、伝えたいことがある。
・・・・・・・あれ?
急ぎ足で歩く俺の視界に入ってきたのは、待合室の椅子に座ってる制服の女の子。
・・・・・・・・・純・・・・・・・?
そっと近づいてみる・・・やっぱり純だ。
待っていてくれたのか。
「・・・純?」
声をかけると、俺を見る。