恋〜彼と彼女の恋愛事情〜
「覚悟を決めなさいよ。バレるのなんて時間の問題でしょ?」
「う、うん」
「何とかなるわよ」
・・・頼もしいね・・・未那は。
・・・あぁ、やっぱり行きたくない・・・。
玄関を出ると
「洸一?聡も!?」
「「おはよ」」
家の前には早瀬君と成宮君の姿があった。
「どうしたの?」
未那が驚いたように聞く。
「あー、朝、暁からメールがあってさ、未那と純ちゃんが一緒に学校行くから、ついていって欲しいって」
早瀬君が答えてくれた。
暁が?
・・・私のこと考えてくれたんだ。
「あの馬鹿」
未那が呟いた。
「え?」
「洸一と聡と一緒に行ったら、なおさら目立つじゃないの」
ハッ、そうだ。
「まぁ、なんとかなるだろ。行こうぜ」
早瀬君の声に引きずられるように駅に向かう。
未那にしても早瀬君にしてもなんで「なんとかなるだろ」になるんだろ。
不思議。
頼もしいなぁ。
4人で歩いていると、誰かが立ってる・・・あ!
「香奈枝?」
私が声を上げると、気がついた香奈枝がこっちに歩いてくる。
未那にメールしたとき、香奈枝にも連絡したから来てくれたんだ。
だけど・・・何故か、早瀬君と成宮君が香奈枝の前に立つ。
「何の用?」
少し低い声で早瀬君が香奈枝に聞く。
「え、あの・・・」
香奈枝が言いかけたとき
「香奈枝は私たちと友達なんだよ」
ニコッと笑って私が答えた。
「は?友達?」
と早瀬君。
「本当に?」
と成宮君。