恋〜彼と彼女の恋愛事情〜
・・・ん?
あれ?あれって・・・。
家に帰る道の途中で男2人と話をしている女の姿。
富谷 香奈枝だ。
少し近づくとナンパをされているようだった。
「一緒にいこうよー」
と、言う男たちに
「ごめんねー。また今度」
やんわり断っているようだったが・・・・目つき怖えぇよ?
頑なに動こうとしない香奈枝に「チッ」と舌打ちをして離れて行った。
来るもの拒まずじゃねーのか?
チラッとみると・・・目が合った。
ヤベ。
「お、おう」
思わず声を掛けてしまった・・・何してんだ俺。
びっくりした顔の香奈枝。
「・・・何してるんだよ、こんなところで」
ナンパ待ち?
俺の質問に少し考えて
「・・・散歩」
と言った。
「散歩!?」
なんだそりゃ。
時間は19時近い。
普通なら家族団らんご夕食~じゃねーの?
「あ、そうだ。・・・早瀬君さぁ、この後時間ある?」
突然香奈枝が言う。
「は?」
「ちょっと付き合って欲しいんだけど」
「あ?・・・どこに?」
怪しんでる俺に
「ん?・・・ホテル」
と微笑む。
「ええ!?」
なんだと!?
やっぱりそんな女なんだな?
誰でもいいんだな?
・・・俺、食われちゃうの?
固まってしまった。
「あははは」
その状態を見て大笑いする香奈枝。
「冗談よ」
腹を抱えて笑っている。
俺としたことが、おちょくられた!