恋〜彼と彼女の恋愛事情〜
その後、詳しく聞いてもいいのか迷っていると香奈枝から話をしてくれた。
「家の父親はね、普段は優しいしまじめだし良い父親なんだけど、お酒が入るとダメなんだよね。・・・それが原因で母親は姉を連れて出て行っちゃうし」
は?
「姉だけ?」
「そう、私は父親に似てるから、見てるだけでイライラするんだって・・・」
はあ?なんだよそれ!
同じ腹から生まれた子供だろうが!
「ここはおじさんのお店なの。小さい頃から可愛がってくれてるんだ」
なるほど。
「結構複雑なんだな」
俺の言葉に
「うん、まあね」
と、笑って答える。
強いんだな。
「ねぇ、ところで、私のことどう思ってる?」
は!?なんだその質問。
「いや、どう思ってるって聞かれても・・・」
いきなりすぎるだろ!
「いろんな噂とか聞くでしょ?・・・早瀬君の中の私のイメージってどんなかな?って思って」
・・・ああ。そっちか。
・・・好きか、嫌いかってことかと思った。
・・・ちょっとあせった。
「いや、どうって言われても・・・」
なんて言えばいいのやら・・・来るもの拒まずで、男をとっかえひっかえ、彼女持ちに手を出す性悪女のイメージですって言えばいいの?
・・・・いや、ダメだろ。
さすがに傷つくだろ。
困った・・・。
「あのさ、思ってること・・・言葉に出てたけど?」
「は!?」
俺、呟いてた?
「来るもの拒まず、とっかえひっかえ、彼女もちに手を出す?」
うわっ。
本当に言ってた・・・ようですね?
「い、いや。あの、その・・・そ、そこまでは・・・」
弁解しようがねぇな。
「やっぱり、そう思ってたんだ」
「はい?」