恋〜彼と彼女の恋愛事情〜


「私ね、1年の頃に彼女持ちの男に告白されたことがあるの」

自慢話?

「私モテるのよ!って言いたいのか?」

「違うわよ!」

違うのか・・・。

「それも、立て続けに3人」

「やっぱり、自慢だろ?」

「違う!って言ってるでしょ!?」

お、怒った。

「大体、あんたが「誰の?」って聞いたから、説明しようと思ってるのに!」

あんた?・・・ちょっとムカ。

「あんたとか言うな」

「なによ、あ、早瀬君だって私のことお前って言ってるじゃない」

言い直した・・・その辺は素直なんだな。

「俺はいいんだよ」

俺らなんで喧嘩してんの?

「なんでよ!」

「お前は女妖怪だからだよ!」

・・何だその理由。

・・・意味わかんねぇ。

「・・・あ、そうね。・・・分かった」

ええええええええええ!?

女妖怪・・・そんなに気に入りましたか?

香奈枝のツボが良く分からん。

「続けてもいいの?」

「あ?・・ああ」

そうだった。

話聞かないと・・・変なこと聞いたりするのやめよう。

・・・また喧嘩になる。

「で?どこまで話したっけ?」

は!?

「3人の彼女もちに告白されたとこ」

「ああ、そうよ。・・・3人とも丁寧に断ったのよ。・・・でも、彼女にしてみれば気に入らなかったみたいで」

「まあ、そうだよな」

「うん、それからね、いろんな噂が流れ始めたの。・・・誰とでも寝るとかさ、男を彼女から取るのが趣味だとかさ。挙句には女王様だとかね」

「ああー、そうだ。俺の耳に入ってきたのもそんな感じだったかも」

噂って怖えぇな。





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