恋〜彼と彼女の恋愛事情〜


「屋上で、言ったでしょ?噂は怖いのよ。広まるにつれて噂自体が変わっていくの。最終的に私のことを信じてくれたのは、未那と純だったから」

「・・・なるほどね」

って事は、やっぱり香奈枝はいい奴なのか?

・・・いや、ちょっと待て。

「屋上といえば、何で暁と純ちゃんを別れさせたんだよ?」

その質問にハッとした顔をして

「本当に別れるとは思わなかったのよ」

俺から目をそらした。

「は!?」

「ちょっとした脅しのつもりだったの。・・・だって、純は暁君とつきあってても何だか不安そうだったし・・・理由がいまいち分からなかったんだけど、屋上で聞いて分かった」

そうか。

俺が悪いんだ。

「純は罰ゲームの事を知ってたんじゃないかって思ったの。じゃなかったらあんなに不安そうに付き合わないと思ったし」

「うん」

「早瀬君が「きっかけなんだ」って言ったときに、なんとなく分かったけど・・・むかついたから、ちょっと脅してあげようと思って・・・・・・噂なんて流すつもりは全くなかったし」

だあああぁああ!

それって、全部罰ゲームで告白させたからじゃねーか!

「俺だ・・・」

「はい?」

「原因は俺だって言ったの!」

「なんの?」

「暁を告白させて純ちゃんと付き合うようにしたのも、別れるようなことになったのも俺の『罰ゲーム』がすべて原因だったって事」

「ふ~ん」

何だ、その気の抜けた返事は!

「まぁ、でも良かったんじゃない?」

「あ?なにが?」

「罰ゲームだろうがなんだろうが、お互い好きになって今は幸せそうなんだからさ」

「いや、まぁ、そうだけど」

「私はちょっとした試練を与えて、良かったと思ってるわよ?今のあの2人のラブラブは私が別れさせた試練があったからだと思ってるし!」

「すげぇ、ポジティブだな」

「そうじゃないと、やっていけないのよ」

「さすが・・・女妖怪」

「お褒めの言葉ありがとう」

女妖怪は・・・褒め言葉になるのか?


香奈枝と一緒にいた時間はあっという間に過ぎて・・・ちょっと楽しかったかな。

・・・・・ちょっとだけだぞ!









< 139 / 216 >

この作品をシェア

pagetop