恋〜彼と彼女の恋愛事情〜
「屋上で、言ったでしょ?噂は怖いのよ。広まるにつれて噂自体が変わっていくの。最終的に私のことを信じてくれたのは、未那と純だったから」
「・・・なるほどね」
って事は、やっぱり香奈枝はいい奴なのか?
・・・いや、ちょっと待て。
「屋上といえば、何で暁と純ちゃんを別れさせたんだよ?」
その質問にハッとした顔をして
「本当に別れるとは思わなかったのよ」
俺から目をそらした。
「は!?」
「ちょっとした脅しのつもりだったの。・・・だって、純は暁君とつきあってても何だか不安そうだったし・・・理由がいまいち分からなかったんだけど、屋上で聞いて分かった」
そうか。
俺が悪いんだ。
「純は罰ゲームの事を知ってたんじゃないかって思ったの。じゃなかったらあんなに不安そうに付き合わないと思ったし」
「うん」
「早瀬君が「きっかけなんだ」って言ったときに、なんとなく分かったけど・・・むかついたから、ちょっと脅してあげようと思って・・・・・・噂なんて流すつもりは全くなかったし」
だあああぁああ!
それって、全部罰ゲームで告白させたからじゃねーか!
「俺だ・・・」
「はい?」
「原因は俺だって言ったの!」
「なんの?」
「暁を告白させて純ちゃんと付き合うようにしたのも、別れるようなことになったのも俺の『罰ゲーム』がすべて原因だったって事」
「ふ~ん」
何だ、その気の抜けた返事は!
「まぁ、でも良かったんじゃない?」
「あ?なにが?」
「罰ゲームだろうがなんだろうが、お互い好きになって今は幸せそうなんだからさ」
「いや、まぁ、そうだけど」
「私はちょっとした試練を与えて、良かったと思ってるわよ?今のあの2人のラブラブは私が別れさせた試練があったからだと思ってるし!」
「すげぇ、ポジティブだな」
「そうじゃないと、やっていけないのよ」
「さすが・・・女妖怪」
「お褒めの言葉ありがとう」
女妖怪は・・・褒め言葉になるのか?
香奈枝と一緒にいた時間はあっという間に過ぎて・・・ちょっと楽しかったかな。
・・・・・ちょっとだけだぞ!