恋〜彼と彼女の恋愛事情〜
!誰!?
振り返ると・・・早瀬・・・君・・。
「転んじゃった」
笑ってごまかしてみたけど・・・ムリだったみたい。
殴られた顔を見て、早瀬君の顔が険しくなる
「何が・・・・あった?」
早瀬君の言葉に体がビクリと反応する。
「なん・・でも・・ない」
声が震える。
見ないで。
聞かないで。
お願い。
「何でもないわけねーだろ!」
早瀬君の声が大きくなる。
私は何も言えなかった。
腕を振り解いた方がいいのかな。
どうしよう。
と思っていた時
カラン。
お店のドアが開く音がして
「香奈枝!」
悠人さんが出てきた。
「「悠人さん」」
・・・助かった。
でも早瀬君は
「俺も一緒に・・・」
ええ?嫌だよ。
こんな顔とか見られたくないのに。
悠人さん・・・・・断って。
「わかった。入りなさい」
えええええ?
入れちゃうの?
悠人さんを見て私は安心したのもあって、ちょっと放心状態だったから、反論は出来ず・・・。
「奥に行って着替えてきなさい」
頷くだけしかできなくて、そのまま奥の部屋に入った。
服を脱いでから、濡れた髪と体を拭く。
着替えはいつ何があってもいいように、2組置いてある。
「ひどい顔・・・」
目の前にある鏡を見て、自分の顔が腫れているのに気が付いた。
着替えが終わってドライヤーで髪を乾かした。