恋〜彼と彼女の恋愛事情〜
「父親がね、酒乱でさ。あざが消えないの」
ちょっと明るく言ってみたんだけど、
「それって、虐待?ってこと?」
純は泣きそうになってる・・・。
「まあね」
「「・・・・」」
2人とも黙っちゃったよ・・・。
「まあ、あんまり気にしないで」
「もっと早く言えばよかったのに!」
未那が怒った。
「え・・・」
「そしたら、もっと香奈枝のこと助けてあげられたかも知れないでしょ!?香奈枝は肝心なこといつも言わないんだから!!・・・私たちをもっと頼ってよ・・・」
未那・・・。
「そ・・・だよ。力になるから・・・」
純・・・。
「ありがと・・・やっぱり友達になって良かった!」
明るく言う私に
「ばかだねぇ」
未那はちょっとあきれて、純も少し笑ってくれた。
そんなことがあったから、早瀬君のことは気になってはいたけれど、私も深入りしないようにしてた。
それなのに一緒に住むことになっちゃって・・・・・あんな完璧な人・・・好きにならないほうがおかしいよ。
私が怒ったからか、それからは一緒に行こうとは言わなくなった。
学校では話もしないし、目もあわせないようにしてた。
家に帰れば時間を見つけて私の勉強をみてくれていた。
私もその優しさに答えなくちゃと一生懸命勉強した。
結果・・・期末28位!
やったぁ!!
このまま行けばきっと同じクラスになれる。
喜んでいる私を見て
「このくらいで喜ぶな!」
と気合を入れ直された・・・・。
え~だって、嬉しかったんだもん。
冬休みに入る前に
「あ、俺冬休みは勉強見てやれる時間が減るから、家庭教師呼んでおいた」
と言われた。
家庭教師?
「3泊4日で来るはずだから」
3泊4日??
旅行ですか???
「まじめに勉強しろよ?帰ってきてからテストすっからな」
「えええええ!?テスト?」
「何?嫌なの?」
「い、いえ、頑張ります・・・」
「よろしい」
スパルタですな。