恋〜彼と彼女の恋愛事情〜


「父親がね、酒乱でさ。あざが消えないの」

ちょっと明るく言ってみたんだけど、

「それって、虐待?ってこと?」

純は泣きそうになってる・・・。

「まあね」

「「・・・・」」

2人とも黙っちゃったよ・・・。

「まあ、あんまり気にしないで」

「もっと早く言えばよかったのに!」

未那が怒った。

「え・・・」

「そしたら、もっと香奈枝のこと助けてあげられたかも知れないでしょ!?香奈枝は肝心なこといつも言わないんだから!!・・・私たちをもっと頼ってよ・・・」

未那・・・。

「そ・・・だよ。力になるから・・・」

純・・・。

「ありがと・・・やっぱり友達になって良かった!」

明るく言う私に

「ばかだねぇ」

未那はちょっとあきれて、純も少し笑ってくれた。



そんなことがあったから、早瀬君のことは気になってはいたけれど、私も深入りしないようにしてた。

それなのに一緒に住むことになっちゃって・・・・・あんな完璧な人・・・好きにならないほうがおかしいよ。




私が怒ったからか、それからは一緒に行こうとは言わなくなった。

学校では話もしないし、目もあわせないようにしてた。

家に帰れば時間を見つけて私の勉強をみてくれていた。

私もその優しさに答えなくちゃと一生懸命勉強した。

結果・・・期末28位!

やったぁ!!

このまま行けばきっと同じクラスになれる。

喜んでいる私を見て

「このくらいで喜ぶな!」

と気合を入れ直された・・・・。

え~だって、嬉しかったんだもん。



冬休みに入る前に

「あ、俺冬休みは勉強見てやれる時間が減るから、家庭教師呼んでおいた」

と言われた。

家庭教師?

「3泊4日で来るはずだから」

3泊4日??

旅行ですか???

「まじめに勉強しろよ?帰ってきてからテストすっからな」

「えええええ!?テスト?」

「何?嫌なの?」

「い、いえ、頑張ります・・・」

「よろしい」

スパルタですな。










< 158 / 216 >

この作品をシェア

pagetop