恋〜彼と彼女の恋愛事情〜
「おや・・・早瀬君じゃないか」
「・・・香奈枝さんはいますか?」
俺の言葉に薄ら笑いを浮かべる
「俺から勝手に引き離しておいて?香奈枝が来るはずがないだろう」
「本当に来てないんですか?」
「・・・しつこいね。来ていないよ。・・・嘘をついても仕方ないからね」
どうやら本当のようだ。
・・・じゃあ、どこへ・・・。
「すみませんでした・・・失礼します」
香奈枝の父親に挨拶をして立ち去ろうとしたとき
「あ、早瀬君」
呼び止められた。
「はい?」
なんだろう。
「あの話、OKすることにしたよ。・・・悠人がうるさくてね・・・」
「・・・わかりました」
俺は頭を軽く下げてその場を去った。
香奈枝はどこへ行ったんだ・・・。
悠人さんのお店?
悠人さんのお店に電話をしてみるが・・・出ない。
いれば必ず出るから・・・・いないか・・・・。
暁・・・。
「もしもし」
「洸一?どうした?」
「純ちゃん一緒にいる?」
「ああ、今病院なんだ」
「舜か」
「今日退院でな」
「そうか、良かったな・・・じゃ」
「あ、おい、洸・・・・」
暁が何か言いかけたが電話を切った。
あとは・・・未那。
「もしもし?」
「未那?洸一だけど」
「どうしたの?」
「香奈枝、そっちに行ってない?」
「来てないけど・・・何があったの?」
「父親に会いに行ったまま帰ってこない・・・」
「え!?それって・・・」
「いや、父親のところにはいない・・・いったいどこにいったのか・・・」
「・・・たしか前に香奈枝が言ってたんだけど、嫌なことがあると行くところがあるって」
「!どこ!?」
「ねぇ、洸一」
「あ?早く場所を・・・」