恋〜彼と彼女の恋愛事情〜
「あんたさ、香奈枝のことどう思ってる?」
「は!?今そんな話してる暇なんてねーんだよ!!」
「私、女の人にそんなに必死になってる洸一初めて見るんだけど・・・」
未那・・・何言って・・・?
「そ、それは・・・悠人さんに頼まれたから・・・・」
「それだけ?」
なんだよ。今そんな話してる場合じゃ・・・。
「洸一さ、香奈枝のこと好きなんじゃないの?」
「は!?俺が?」
未那の言葉に驚く。
好き?俺が?香奈枝を?
「そうよ」
「・・・まさか・・・そんなことは・・・」
「ないって言えるの?」
わからない・・・。
「わかんねぇ。・・・だけど、放っておけないって思う」
「・・・香奈枝がいなくなったら・・・どうする?」
「ああ!?そんなの考えたくねぇよ!」
いなくなるなんて嫌に決まってるだろ・・・。
「・・・好きなのよ。洸一は香奈枝が好きなのよ。・・それを自覚した上で行きなさいよ」
え?・・・そうなの?・・・そうだったのか?
「場所は公園だと思う」
「それどこ?・・うん・・・うん・・・・わかった」
携帯を閉じて公園へ急いだ。
・・・・頼む・・・いてくれ・・・。
「ここか?」
本当に小さな公園。
日も暮れ始めているし寒いからか誰もいない。
ここにいるのか?
俺は小さな公園を見回す。
ブランコに目をやったとき、誰か座っているのがわかった。
・・・・いた!香奈枝だ。
ブランコに座っている香奈枝をみつけた。
心配かけやがって。
「何やってんだよ、こんなところで」
香奈枝に近づいて話しかける。
「はや・・・せ・・くん?」
俺に気が付いて驚いて見上げた。
「ど・・・うし・・て?」
「ああ?お前が帰ってこねぇからだろ!?何時間経ってると思ってるんだよ」
はぁ、とため息をついて隣のブランコに座った。
とりあえず無事で安心した。
少しの沈黙のあと香奈枝が口を開いた。