恋〜彼と彼女の恋愛事情〜


【洸一と香奈枝】

「早瀬君、これ、純と未那と一緒に作ったの」

とても恥ずかしそうに渡す香奈枝。

男の子に面と向かってチョコを渡すのは初めてだ。

「ありがとう・・・じゃ、俺からも」

そう言いながら綺麗な箱に入ったチョコを取り出す洸一。

「え!?私に!?」

「そうだよ」

優しく微笑んだ後・・・・洸一の顔が少し変わる。

「でも、条件がある」

「条件?」

不思議そうな香奈枝。

「俺のこと名前で呼んだらあげる」

「え?ええええええ?」

「ん?言えないんだったら自分で食べるからいいよ」

箱を開けようとする・・

「まって!まって!!・・・言うから・・・」

恥ずかしくて顔が真っ赤になる香奈枝。

それを見て嬉しそうな洸一。

「ちゃんとチョコくださいって言ってね」

可愛く言わないで欲しい・・・と内心思う香奈枝であった。

「・・・こ、洸一君「君はいらなーい」

「ううっ・・・・こ、洸一・・・チョコください」

もうやだぁ。恥ずかしすぎる・・・。

名前を初めて呼ばれて・・・洸一の方が赤面する。

「あー、ダメだ」

そう言って香奈枝の顔に洸一の顔が近づいたとき

コンコン

「洸一坊ちゃま。お客様がおいででございます」

執事の橘が入ってくる。

だああああああああ。

邪魔されて不機嫌な洸一と、チョコを貰ってご機嫌な香奈枝であった。

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