恋〜彼と彼女の恋愛事情〜
「純はどんな部屋がいい?」
「和室がいいな」
「和室?・・・あるのかよ」
何気なく開けた部屋。
「「和室だ」」
二人はニコッと笑って部屋に入った。
「翔太、部屋ここね」
「俺はどこでもいいけど・・・なんでここ?」
普通の洋室。
「玄関に一番近いから・・・迷子になる」
「ああ。未那は極度の方向音痴だからな」
「うっさいな」
「いてっ」
未那に殴られた。
「たま、どこにするどん?」
「ん~、あ、この部屋は?」
「ダメ・・・こっちにするどん」
たまに聞く必要ないじゃん・・・。
しかも『どん』ってなに?
それぞれの部屋が決まったところで洸一からメールが来る。
<玄関入って右にある部屋に集合>
そこは大広間になっていた。
「皆来た?」
「ん?聡たちがまだだな・・・」
暁と洸一の会話だ。
「・・・迷ったか?」
「ありえる」
その時、洸一の携帯がなる。
「もしもし?」
『洸一?迷ったどーん』
「・・・一生迷っておけ」
『えええ、やだどーん』
はぁ、とため息を吐いて聡に説明する。
『あ!わかったどーん』
「はいはい」
あきれ気味で電話を切る。
「聡来る?」
「ああ、多分・・・あいつ何回来たら迷子にならなくなるんだ」
「ははっ、確かに。小さい頃から毎回迷子になってたよな・・・」
そんな話をしていると
「またせたどーん」
絶好調の聡と少し疲れた顔のたまちゃんが入ってきた。
どうやら迷って歩き回っていたらしい・・。
お疲れ・・・たまちゃん。