恋〜彼と彼女の恋愛事情〜


「純はどんな部屋がいい?」

「和室がいいな」

「和室?・・・あるのかよ」

何気なく開けた部屋。

「「和室だ」」

二人はニコッと笑って部屋に入った。




「翔太、部屋ここね」

「俺はどこでもいいけど・・・なんでここ?」

普通の洋室。

「玄関に一番近いから・・・迷子になる」

「ああ。未那は極度の方向音痴だからな」

「うっさいな」

「いてっ」

未那に殴られた。




「たま、どこにするどん?」

「ん~、あ、この部屋は?」

「ダメ・・・こっちにするどん」

たまに聞く必要ないじゃん・・・。

しかも『どん』ってなに?



それぞれの部屋が決まったところで洸一からメールが来る。

<玄関入って右にある部屋に集合>

そこは大広間になっていた。


「皆来た?」

「ん?聡たちがまだだな・・・」

暁と洸一の会話だ。

「・・・迷ったか?」

「ありえる」

その時、洸一の携帯がなる。

「もしもし?」

『洸一?迷ったどーん』

「・・・一生迷っておけ」

『えええ、やだどーん』

はぁ、とため息を吐いて聡に説明する。

『あ!わかったどーん』

「はいはい」

あきれ気味で電話を切る。

「聡来る?」

「ああ、多分・・・あいつ何回来たら迷子にならなくなるんだ」

「ははっ、確かに。小さい頃から毎回迷子になってたよな・・・」


そんな話をしていると

「またせたどーん」

絶好調の聡と少し疲れた顔のたまちゃんが入ってきた。

どうやら迷って歩き回っていたらしい・・。

お疲れ・・・たまちゃん。







< 196 / 216 >

この作品をシェア

pagetop