恋〜彼と彼女の恋愛事情〜
純からの電話を切った暁は翔太に電話をかけた。
「もしもし翔太か?」
「おう」
声に元気がない。
「今純から電話が来たんだけど・・・お前未那と別れたって・・・本当か?」
「・・・・ああ」
「・・なんで?」
「・・・ここじゃ話せないから・・・・俺んちの近くの公園分かるだろ?」
「ああ、桜の木があるところか?」
「そう、そこで待ってるわ」
「わかった」
暁は電話を切ると、洸一にかける。
「もしもし、洸一?」
「おう、どうした?」
「香奈枝ちゃんいる?」
「うん・・・なんだよ」
「・・・俺にヤキモチを焼くな・・・面倒くせぇな」
「・・・うっせぇ。・・・ところでなんだよ?」
「ああ、そうだ。翔太が未那に別れようって言ったらしくて」
「はあ!?・・・なんでまた・・・」
「わかんねぇ・・・それでこれから翔太に会うんだけど、純の家に未那が来ているらしいから香奈枝ちゃんと一緒に迎えに行って欲しいんだ」
「ん・・?」
「俺はこれから翔太に会うから、そこに未那を連れてきて欲しい」
「わかった・・・場所は?」
「翔太の家の近くの桜の木がある公園」
「ん?・・・・ああ、あそこか、わかった」
「頼むな」
「おう」
暁は舜をおばさんにお願いして、翔太の待つ公園に向かった。
翔太は少しぼんやりとしながらベンチに座っていた。
「翔太」
声を掛けると翔太は振り向いた。
「暁・・・」
「・・・顔が死んでるぜ?」
暁は翔太の隣に腰を下ろした。