恋〜彼と彼女の恋愛事情〜

話を切り出したのは翔太からだった。

「思ったより早く伝わったな・・・」

「何暢気なこと言ってんだよ」

「ははっ・・・あんまり実感がわかなくてさ・・・」

少し遠くを見る翔太。

「何で別れようなんて思った?」

「・・・ん・・・・」

翔太はそのまま口を閉ざしてしまう。

「おい、こら」

後ろから声がして振り向くと

「洸一、聡?」

「洸から連絡がきて、ビックリしたよん。翔太いったい何があったんだよん」

翔太は暁をみる。

「暁・・・」

「俺一人じゃどうせ言わねーだろ?」

洸一と聡はベンチの前にまわった。

「・・・いつから?」

洸一が聞く。

「ん?」

「いつから別れること考えてた?」

翔太は少し考えた後、ゆっくり口を開いた。

「洸一の家でさ、将来何になりたいって話になったの覚えてる?」

「ああ、洸一が俺たちに香奈枝ちゃんの家庭教師を頼んだときだろ?」

「そう・・・そのときに未那が美容関係に進みたいって言ったんだけど」

「うん、覚えてるよん」

「その夢を聞いたときくらいから・・・かな」

「なんで?」

「近くに未那が通える美容学校がなくて、少し離れるんだけどさ」

「・・・確かに少し離れるけど・・・車の免許も取ったし会えない距離じゃないだろ?」

「・・・それが問題なんだよ」

「「「は?」」」

翔太は少し笑って

「未那ってどんな女か知ってる?」

と3人に聞いた。

「そりゃ・・・幼馴染だからな・・・ある程度は知ってるが」

暁が言うと2人も頷く。

「未那さ、すげぇのよ。何も言わずに俺の力になってくれるんだ。・・・友達思いだし・・・。俺、兄弟が多いけど文句言わずに付き合ってくれたりさ・・・とにかく頼りになるんだよ」

「うん」

「・・・だけど、それにずっと甘えてきたことに気が付いてさ・・・」

「甘えてた?」







< 208 / 216 >

この作品をシェア

pagetop