恋〜彼と彼女の恋愛事情〜
話を切り出したのは翔太からだった。
「思ったより早く伝わったな・・・」
「何暢気なこと言ってんだよ」
「ははっ・・・あんまり実感がわかなくてさ・・・」
少し遠くを見る翔太。
「何で別れようなんて思った?」
「・・・ん・・・・」
翔太はそのまま口を閉ざしてしまう。
「おい、こら」
後ろから声がして振り向くと
「洸一、聡?」
「洸から連絡がきて、ビックリしたよん。翔太いったい何があったんだよん」
翔太は暁をみる。
「暁・・・」
「俺一人じゃどうせ言わねーだろ?」
洸一と聡はベンチの前にまわった。
「・・・いつから?」
洸一が聞く。
「ん?」
「いつから別れること考えてた?」
翔太は少し考えた後、ゆっくり口を開いた。
「洸一の家でさ、将来何になりたいって話になったの覚えてる?」
「ああ、洸一が俺たちに香奈枝ちゃんの家庭教師を頼んだときだろ?」
「そう・・・そのときに未那が美容関係に進みたいって言ったんだけど」
「うん、覚えてるよん」
「その夢を聞いたときくらいから・・・かな」
「なんで?」
「近くに未那が通える美容学校がなくて、少し離れるんだけどさ」
「・・・確かに少し離れるけど・・・車の免許も取ったし会えない距離じゃないだろ?」
「・・・それが問題なんだよ」
「「「は?」」」
翔太は少し笑って
「未那ってどんな女か知ってる?」
と3人に聞いた。
「そりゃ・・・幼馴染だからな・・・ある程度は知ってるが」
暁が言うと2人も頷く。
「未那さ、すげぇのよ。何も言わずに俺の力になってくれるんだ。・・・友達思いだし・・・。俺、兄弟が多いけど文句言わずに付き合ってくれたりさ・・・とにかく頼りになるんだよ」
「うん」
「・・・だけど、それにずっと甘えてきたことに気が付いてさ・・・」
「甘えてた?」