恋〜彼と彼女の恋愛事情〜
「なあ翔太。・・・お前さ建築家になりたいって言ってたよな?」
「暁・・・・・?ああ、言ったよ」
「そのお前の夢の隣に未那はいなかったのかよ?」
「・・・・いたよ」
翔太は涙を溜めて話す。
「未那と話もしてた。・・・未那が美容師になって俺が建築家になって、未那の美容室を俺が設計して・・・一緒に・・・・暮らすって・・・」
「翔太」
「当たり前のように側にいてくれるものだと思ってた。でも、今の俺じゃ・・・ダメだ。今のままじゃ・・・ダメなんだよ」
「どうにも・・なんねぇのか?何か方法はねぇのか!?・・・好きなのに何で別れる必要があるんだよ!」
その時聡が口を開く
「仕方ないよ・・・暁」
「聡?」
「人の価値観は1人1人違う。・・・俺たちは別れなくてもやっていけると思っても、翔太にしか分からない未那との関係があるんだと思う」
「それはそうだけど・・・納得いかねぇよ」
「うん・・・この選択が正しいかどうかは誰にも分からないよ・・・でも、決めるのは俺たちじゃない・・・翔太と未那だよ」
そう言って聡と洸一が頷く。
「未那!」
洸一が呼ぶと桜の木の陰から未那が姿を現した。