恋〜彼と彼女の恋愛事情〜
「畜生。俺は何もしてやれねえのか・・・」
「・・・まぁ、翔太とはこれからも友達だし、何かあれば力になってやることも出来るだろ・・・・とりあえず、そっとしておいたほうがいいのかもな・・・。」
「・・・そうだな・・・」
それからしばらくすると未那たちが部屋から出てくる。
「洸一、暁、聡ごめん。・・・ありがとう。・・・もう大丈夫だから」
目を真っ赤にした未那が笑顔で言う。
洸一と暁は笑顔で未那を見る。
「・・・ちょっと、私より泣いてどうするのよ・・・」
聡はまだ泣いていた・・・。
「ご、ごべん」
「・・・しょうがないわね」
呆れ顔の未那と、泣き虫な聡に皆笑った。
未那は暁と純と聡に送られて、自分の家に帰った。
それから数日後-----
「未那、元気で頑張って」
駅のホームに皆がいた。
「うん、ありがとう」
未那は家を出て、アパートで一人暮らしをしながら学校へ通うことになった。
車なんて持っていけないので、電車で行く未那を見送りにきたのだ。
荷物は先に家族でアパートに運んでおいたから、未那は最低限の荷物だけ持っていた。
「未那ちゃん、美容師になったら僕の髪切ってね」
「舜・・・ありがと。ちゃんと勉強して必ず切ってあげるね」
「約束ね!」
「うん・・・舜も病気になんか負けるんじゃないわよ!」
「うん!僕も頑張って病気なおすよ!」
「約束ね」
そう言って未那と舜は指きりをする。
「体に気をつけろよ」
「暁・・・お父さんじゃないんだから・・・」
「何かあったら連絡しろよ」
「洸一、ありがとう」
「戻ってきたら連絡頂戴ね」
「香奈枝、純、本当にありがとう」
未那は電車に乗り込む。
「・・・聡・・・泣きすぎだから・・・」
「未那~・・・元気でなぁ」
「はいはい・・・たまちゃんによろしくね」
「うん・・・」
聡に対しては呆れ顔になる未那。