恋〜彼と彼女の恋愛事情〜
その日はいつもお昼を一緒に過ごしている中野 未那(なかの みな)に、
「純、ごめん。今日のお昼は翔太と食べるから」
と言われたので、私は一人寂しくお弁当を食べて、残りの時間を屋上で過ごしていた。
未那と翔太君は1年の頃から付き合っていて、とても仲がいい。
別に男なんていらないけど、未那達をみてると、ちょっと羨ましかったりもする。
今日は曇り空。
ゆっくりと流れる雲を眺めながらぼーっとしてた。
その時、
ーーーん?何か声が聞こえてくる。
キョロキョロしてみるけれど、誰の姿もみあたらない。
息をとめて耳をすましてみる・・・やっぱり声が聞こえてくる。
あっちの方かな。
そーっと声のする方へ近付いてみると、3人の男の子が話をしていた。
思わず聞耳をたててしまう。
「んじゃ、罰ゲームは暁で、告白するに決定な!」
と言っているのは、3組の早瀬 洸一(はやせ こういち)君だ。
陸上部でハイジャンプの選手。
少し濃いめの顔のイケメンさん。
しっかり者で、責任感が強く、男女問わず慕われている。頭も良い。
「ち、ちょっと待てって!」
慌てているのは同じクラスの沢田君。
彼はあっさりした顔のイケメン。
クールでいつも冷静。男友達とは楽しく話したりするけど、女の子と話したりするところをほとんど見たことがない。
「最下位になった暁が悪いのだ」
楽しそうな声を出しているのが7組の成宮 聡(なるみや さとし)君だ。
聡君は可愛い顔のイケメン。天然で人懐っこいので、可愛がられるタイプ。
頭は悪そうに見えるけど、いいんだな、これが。
この3人は小学校の時からの幼馴染み。
性格がバラバラだから仲が良いのは不思議な感じもするけど、3人のバランスが絶妙らしい。