恋〜彼と彼女の恋愛事情〜
私は話を続けた

「中学2年生になって、夜中お父さんとお姉ちゃんが話をしているのを偶然に聞いちゃったのね。・・・お姉ちゃんがその時付き合ってる人にプロポーズされたって、でも私が高校卒業するまで結婚しないって・・・そんなこと聞いちゃったら、結婚できないのは私がいるからだって思っちゃうよねぇ」

「思っちゃうね」

苦笑いする舜君にまたちょっとほっとする。

「だから、そのとき思ったの。私はお姉ちゃんのお荷物なんじゃないかって。・・・でも怖くて聞くことが出来なかった。・・・だってさぁ、『あんたはお荷物よ!』なんて言われたら立ち直れないじゃない?」

「・・・・分かる・・・そんな事、言わないだろうって思っても聞くのが怖かったりするよ」

「だよね。だからしばらくは知らん振りしてたんだけど、思い切って話し合って、私が高校に入学したら結婚するって事にして。・・・昨年結婚したの。でね、結婚式の時に聞いちゃった。「私はお荷物じゃなかったかな」って」

「そしたら?」

「そんな事、考えたこともなかったって」

「そう・・・」

「逆に私がいたから頑張ってこられたって言われた時には、泣きました」

泣くまねをすると、くすくすと舜君が笑ってくれた。

「だから、私はここにいて良かったんだって、凄く安心したよ・・・舜君も一緒だと思う」

「それは、どうかな?・・・純ちゃんのお姉ちゃんがそう思ってても、兄貴が同じこと思ってるとは限らないし、それに僕の場合は病気を持ってるし・・・」

病気・・・これが舜君が抱えてる一番の問題。

「・・・私さあ、暁といるとドキドキするのね」

「のろけ?」

「ちがう」

「ドキドキするんだけど安心する部分もあってね」

「だからのろけ?」

「だからちがう!」

聞いてよー。

「安心するのはなんでかなって思ってたの・・・それが今わかった」

「へ?」

「お姉ちゃんに似てるの」

「だれが?」

「暁が」

「・・・・・兄貴、お、男だけど?」

舜君・・・・・天然?

それとも本気?からかってるの?













< 45 / 216 >

この作品をシェア

pagetop