恋〜彼と彼女の恋愛事情〜

えーっと・・・気を取り直して。

「男とか女とかじゃなくて。暁の持ってる雰囲気とか、考え方とかね」

「うん」

なんとなく分かったかな?

ふう、舜君の気持ちを考えながら、ちゃんと伝わるように話さなくちゃ。

「舜君が思ってるのは・・・舜君がいなかったら暁はもっと楽だったのに、とか。病気じゃなかったらお母さんも暁も舜君も、もっと違う生き方ができたのに、とか。そんな感じかな?」

複雑そうな顔をしながら

「・・・そう」

呟くように返事をした。

「でも、今の舜君がいなかったら、私は暁と付き合ってないと思う」

「え?なんで?」

「暁の優しさとか、簡単にいうと性格は、今の舜君がいたから今の暁がいるの。もし、今の舜君じゃなかったら暁は私には興味なんて無かったと思う・・・。だから私は今の舜君がいてくれて感謝してるの。暁の弟に生まれてきてくれてありがとうって」

「・・・・僕・・・・」

「だから、今のままの舜君でいいんだよ?もっとわがままになっても、お母さんと暁はちゃんと受け止めてくれるよ」

「うん・・・うん・・・。・・・でも僕は、何も返してあげられない・・・迷惑かけるばかりで何も返してあげられないんだ」

そうか、普通に恩返しがしたいのね・・・でも、普通の恩返しってなに?

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