恋〜彼と彼女の恋愛事情〜
それから少しすると暁が戻ってきた。
少し休んでから、まだ見ることができかった魚たちを
「大きい!」とか
「ぷっこの魚変な顔」とか
「あ、純ちゃんに似てる魚発見!」とか?
「あ~うまそう」・・・とか?
とにかく水族館を堪能して、帰ることにした。
時間は3時を過ぎていた。
来るときは別々だったけど、帰りは一緒の電車に乗った。
駅に着くと私は乗換えで、違うホームに行かなければならなかった。
「じゃあ、私こっちだか・・「純ちゃん、もうちょっと遊ぼうよ」
舜君に言葉をさえぎられた。・・・今日こんな会話多くありません?
「え?・・・あ、あの・・・」
私の困ってる様子をみて
「純、この後何か用事入ってる?」
暁が聞いてきた。
「う、ううん。特別何もないけど・・・」
「じゃあ、もう少しいいかな?」
「・・・うん」
私もまだ帰りたくか無かったし。
引き止められて嬉しかったりして。
「やったー!」
舜君は大喜び。
素直で可愛いなぁ。
こんな風にしてると、あんな悩みを抱えてるなんて絶対分からないよね。
少しでも楽になってくれてたらいいな・・・。
「じゃあ、俺たちの家にでも行くか」
はい?・・・・家?今、『俺たちの家』って言いましたよね?
「え!?暁のい・・「うん!行こう、行こう」
また!すぐ私の言葉さえぎるのやめてぇ。
舜君が私と手を繋ぐ。
「こっちだよ!」
い、いや。ちょっと待って・・・。
いきなり家ですか?
・・・緊張するんですけど・・・確かにもう少し一緒にいたかったけど
家に行きたいなんて、言ってませんし!
ああああぁぁあぁあああ!
し~か~も!
・・・・舜君と手を繋いでいるからか、暁の顔が怖いんですけど・・・。
後でまた何かされるとか・・・ないですよね?
・・・誰かたすけて!このマイペースな兄弟をとめてぇ。
パニクッている私などお構いなしに、どんどん腕は引っ張られていく。
「純ちゃん、ここだよ~」