恋〜彼と彼女の恋愛事情〜
「川上さん?・・・聞いてる?」
沢田君の声にハッとして、
「う、うん、聞いてる・・・」
告白されてしまった。
しかも罰ゲームで。
沢田君イケメンだけど・・・全然嬉しくないです!
この告白って、振られたら罰ゲーム終了なんだよね。
チラッと沢田君をみる・・・
うわっ・・・ やっぱりカッコいいなぁ。
こんな近くで沢田君を見たのは初めてで・・・・。
ドキドキするなって言う方がムリです!!
告白の返事・・・断って欲しいんだろうなぁ。
でも、なんで私なのかな。とても不思議に思って、
「あの、どうして私なんですか?」
思わず聞いちゃった。
「え!?・・・・いや、あの・・・・。」
あー、あせってる。
そりゃそうよね、適当に選んだ相手なんだもん。
理由なんかないよね。
それより、私の事知ってたのかな。
告白を決めたのも、あみだクジとか?
鉛筆転がしてとか?
そうだったら悲しすぎる。
返事は期待してなかったんだけど
「川上さんが、グラウンド脇にある花壇の手入れしてるのを見たり、教室に花を飾ってるのを見たりしてるうちに、その、いいなって思ってさ。」
恥ずかしそうに答える沢田君の笑顔。
ヤバイです!ドキドキが止まらないです!
そして、彼の意外な答えに驚いてしまう。
確に私は園芸部に入っている。
活動は週3回。やる事と言えばグラウンド脇にある花壇の手入れと、その時出る切花を教室に飾るくらいしかない。
そんな地味な活動を見ていてくれたの?
それが本当ならとても嬉しい。
沢田君の言葉は、素直に私の心の中に入ってきて
「ありがとう」
自然と笑顔になって、お礼の言葉がでていた。
そんな私を見て、少し驚いている彼に
「よろしく お願いします」
と、頭を下げていた。
罰ゲームでの告白だし、期限は1ヶ月しかない。
それに、私の事は本当に好きではないと思う。
でも、彼のことをもっと知りたいって思ったの。
「あ、うん。こちらこそ。よろしく」
そっと顔を見上げると、ニコッと笑う沢田君。
もぉ・・・その顔、反則です!
ドキドキが止まりません。