恋〜彼と彼女の恋愛事情〜
「コーヒーでいい?」
家に入ってリビングに案内される。
「う、うん。・・・お母さんはいないの?」
「ああ、今日は仕事。そこのソファーに座って?」
「あ、うん。ありがとう」
腰をおろして待ってるけど、
お、落ち着かない・・・。そわそわ、そわそわしてしまう。
そういえば、先に入っていった舜君が自分の部屋に行ったっきり出てこない。
早く戻ってきて。・・・暁と二人だと妙に緊張しすぎて・・・ダメ。
コーヒーを持ってきてくれた暁に
「ねえ、舜君は?」
と尋ねると
「ん?ああ、ちょっと見てくるな?」
スティックの砂糖を私に渡してから、舜君の部屋へ入っていった。
はあああああ、やっぱり緊張する。
コーヒーを一口飲むと、暁が戻ってきた。
「あれ?舜君は?」
「寝てた」
「え!?」
「はしゃぎすぎて、疲れたんじゃねぇ?・・・元々体力あるほうじゃないし、今日は久しぶりに電車に乗っての遠出だったし」
ソファに座り、暁も一口コーヒーを飲んだ。
そうか、入院ばっかりしてたって言ってたし、元々学校にもあまり行けてないのかもしれないな。
「純」
急に名前を呼ばれて
「な、なに?」
慌てたから、声が裏返ってしまった。
フッて笑う暁
恥ずかしいなぁ、もぅ。
「今日はありがとな」
お礼を言われてびっくり・・・。
「舜君を連れて行ったこと?」
「それも、ある」
それも?
暁は深く深呼吸をした後、話始めた。