恋〜彼と彼女の恋愛事情〜


「兄貴と純ちゃんて、どっちから付き合おうって言ったの?」

突然の質問にびっくり。

「え?えーっと暁からだけど」

私の答えにこっちを見る舜君。

「あ、兄貴から!?」

「う、うん」

「・・・あのさ」

すぐに画面に顔を戻して

「僕の勘違いだったらごめん」

そう前置きして話し始めた。

「遊園地の事って兄貴から聞いてる?」

「うん」

何が言いたいのだろう・・・なんだかドキドキする。

舜君の話は少し重いからなぁ。私で受け止められればいいけど・・・。

「遊園地のことがあってから、兄貴変わった。もともと優しかったんだけど、それが気を使う優しさになっちゃってさ」

「うん」

「腫れ物に触れるみたいに接するようになって、いらない心配ばっかりしてさ」

それは舜君を巻き込んじゃったから・・・。

暁の心の傷なんだよ。

「僕は前の兄貴が好きだった。病気のこと分かっていても本気で喧嘩とかしてたし、馬鹿なこといっぱい言ってたし。やってたし、そこに僕も巻き込んだりしてくれてたし」

「うん」

「でも、あのことがあってから、兄貴人形みたいになっちまって、喧嘩してもすぐ折れるし、馬鹿なことは言わなくなっちゃったし・・・ガーデニングとかはじめちゃうし・・・じいちゃんかよ!って」

ぷっ。じいちゃん・・・。

・・・ごめん。暁をじいちゃんにしたのは・・・私だ・・・。

「でも、純ちゃんと付き合うようになってから、また少しずつだけど前の兄貴に戻ってきてるところがあるんだ」

「え?・・・そうなの?」

「うん。水族館の時も、純ちゃんと僕が手をつないだら、やきもちやいちゃってさぁ。すげぇ面白かった」

「やきもち?」

「そうだよ?純ちゃん気が付いてないの?」

「え・・・だって、やきもちは好きな人にするものでしょ?」

「んん?」

「だって、暁は私のこと・・・あんまり好きじゃない・・・し」

あ、しまった!罰ゲームのことは言ってないんだった・・・。
暁は私のこと好きじゃない・・・口にすると・・・辛いな・・・。

「はぁ!?あんなに好き好きオーラ全開になってるのに?」

「えええええ!?」

まさか!それはないよ!




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