恋〜彼と彼女の恋愛事情〜


お風呂から出ると、夕飯が用意してあった。

「すっげぇ、うまそう」

舜の目がキラキラしている。

「舜君のリクエストで、煮込みハンバーグなの。お口に合うかわからないけど」

「いいにおいがする」

椅子に座る俺に

「香りだけだったりして・・・」

テレもあるだろうし、本当に少し不安なのかもな。

「「いただきまーす」」

ドキドキした顔で俺たちを見る・・・そんなに見つめんなって。

・・・襲っちゃいそうなんですが・・・俺、野獣?

「「うまい!」」

俺たちの声を聞いてほっとしたようだった。


3人で完食!スープとかサラダもあって、本当にうまかった。

毎日純の手料理食べたい・・・。

・・・母さんごめん。

食器を洗うのは俺と舜でやる。

その間に純はお風呂へ入った。

「なあ、舜」

「なに?」

「・・・その・・・純と何話してた?」

自然に質問したつもりだったんだけど

「プッ、気になる?」

くそ~。弟にからかわれるってなんだよ。

「舜は人の気持ち分かりすぎなんだよ」

洗った皿を拭きながら口喧嘩になっちまう。

「仕方ないだろ、そうなっちゃったんだから」

「そうだけど、兄貴より大人になんじゃねーよ」

「なってねーよ」

「時々なってるんだよ」

「そんなこと言われたって・・・時々っていうか、純ちゃんの事になると・・・でしょ?」

あー、そうかも。

「兄貴さ、純ちゃんの事になると、ホント余裕なくなるよね。すぐやきもちとかやくし」

コノヤロー、痛いところを突くんじゃねーよ。

「仕方ねーだろ。俺だってこんなに余裕なくなるなんて思ってなかったんだよ」

「だよね。・・・でもなんで純ちゃんには伝わらないんだろ」

は!?

つぶやくように言った舜の言葉が気になる。

・・・伝わってない?・・・何が?

「お、おい、しゅ・・「お風呂ありがとう」

言いかけたとき純がお風呂からでてきた。






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