恋〜彼と彼女の恋愛事情〜
「最後まで我侭言ってごめんな?」
舜君を起こさないように、小さな声で話をする。
「ううん、気にしないで」
本当は困っちゃってるんだけど。
「でも、残念だな」
「なにが?」
「本当なら一緒の布団に入って・・・なぁ?」
なぁ?って・・・私に振るのやめて。
そんな事言えるわけないでしょ。
もう、すぐからかうんだから。
「純さ、舜に一緒に寝ようって言われて、ちょっとほっとしたろ?」
「え!?」
「ぷっ。図星かよ」
「だって・・・緊張するもん」
「だよな。・・・あー、でも、俺は残念だったなぁ」
「もう、そんな事ばっかり」
「ははっ、だな・・・寝るか」
「うん。・・・おやすみなさい」
「おやすみ」
暗かったせいもあって、ちょっとだけ自分がだせたかも。
明るいところだったらこんな風に言えなかったな。
・・・・でも、眠れないのは変わらないんだけどね。
そのままうつらうつらとした感じで朝まですごしていた。
少し早いけど起きようかな。
時間は5時40分をさしていた。
私は起きて顔を洗ってから歯を磨いて、朝食を用意しだした。
6時を過ぎると暁が起きてきた。
「おはよう、早いね」
「おはよ・・・朝練があるから」
「舜君は?」
「まだ寝てる・・・純悪いんだけど7時になったら起こしてやって」
「うん」
「学校の準備は自分で出来るから」
「わかった。じゃあ、駅まで一緒に行くね」
「うん、ありがとう」
暁は準備を整え、朝ごはんを食べてから家をでた。
「いってらっしゃい」
「いってきます・・・なんか新婚みてぇ」