恋〜彼と彼女の恋愛事情〜
部活を終え、一人教室で沢田君が来るのを待っていた。
あー、も〜、ドキドキする〜。
口から心臓が飛び出しそうって、このことを言うんだわ。
教科書を開いても、頭になんて入らなくて、そわそわしてたら、
ガラッ
教室のドアが開いて
「遅くなって、ごめん」
沢田君が入ってきた。
少し息が上がっている。
走って来てくれたのかな。
見ていた教科書を鞄にしまいながら
「あ、そんなに待ってないから大丈夫だよ」
と答えると、
「そうか?」
少し安心したような顔をして
「・・・じゃあ、帰ろうか」
と教室を出ようとする。
あ、言わなきゃ・・・!
「さ、沢田君」
思い切って呼びかけると
「ん?何?」
優しい声で振り向いてくれた。