恋〜彼と彼女の恋愛事情〜
放課後翔太に頼んで少し未那と話をさせてもらうことにした。
純には<部活の奴らと帰るから、今日は先に帰ってくれ>とメールをしておいた。
俺たちはいつもの店に行って話をした。
「沢田の聞きたい話ってなに?」
「おう・・・その、純の過去にあったことなんだけど」
俺の言葉に眉を顰める。
「純の過去?」
「そう。・・・ある程度は知ってるんだが・・・」
「・・・わかった。でも、私が知ってることしか話せないわよ?それが沢田が知ってる事と被っててもいいのね?」
「ああ、頼む」
ふう、と息を吐いて話してくれる。
「純は、高校に入って2ヶ月くらいたった時3年生の高橋って人に告白されて付き合ったの。それは知ってるのね?」
「ああ」
「最初はね、本当に優しかったの。純もすぐに高橋君を好きになった」
好きに・・・なった。・・・か。
聞くと結構きついな。
「沢田、顔が怖いわよ。・・・ヤキモチやかないでよ」
「え?」
あれ?顔にでてた?
「あのね、あんたと何年一緒に遊んできたと思ってるのよ。そのくらい分かるわよ」
「ああ、そうか。・・・しかたねーだろ!やきもちくらい焼くよ」
ふっと笑って
「続けるわよ?」
続きを話す。
・・・最初に脱線したのは未那だろうが。
「でもさ、何か最初からおかしかったのよ。・・・すぐにホテルに誘われたとか、家に呼ばれたとか・・・聞いてるうちに私は体目当てなんじゃないかって思うようになったの」
「あ~、典型的な誘い方?」
「そそ。それで、兄がサッカー部の主将だったから聞いてみたら、『あんまりいい噂きかねーぞ』って。だから純に言ったんだけど『そんなことない』って言うからさ」
純らしいな。
「仕方ないから1ヶ月だけ待ってもらったら?って言ってさ。それには何とか頷いてくれて。それでさ、1ヶ月たってみたら、高橋君豹変するじゃない。・・・あ~やっぱり。って私は思ったんだけど、純は信じられなかったみたい」
「そうか」
「毎日泣いてたわよ。何でだろう、どうしてだろうってさ」