恋〜彼と彼女の恋愛事情〜
「それでも純は別れられなかった。それだけ好きだったと思うんだけど」
・・・おもしろくねえ。
「だーかーら!ヤキモチやいてもしょうがないでしょ?もう終わった話なんだから」
「そりゃ、そうだけど、面白くないのにはかわりないだろ?」
「じゃ、やめる?」
「いや、続けて」
「了解。そしたら嫌がらせをね、してきたの。・・・暴言ね。『可愛くねぇ女』から始まって、『お高く留まりやがって』・・・『お前みたいな女誰が好きになるかよ』ってさ」
なんだよ。純はまっすぐな女の子だぞ。
「そのうち高橋君の周りにいる男の子たちからも言われるようになって・・・学校も休みの日が多くなってきて。・・・兄に頼んだの」
「冬二さんが一喝したってのはそのときか」
「そうよ。・・・それから嫌がらせはなくなったんだけど、純の心の傷がね・・・。おさげに眼鏡?そして勉強」
「ん?勉強は好きでやってるんじゃないのか?」
「違うわよ。そのことがあってから、がむしゃらに勉強し始めたのよ。・・・とにかく忘れたかったんじゃない?」
「そうか・・・。」
未那はコーヒーを一口飲む。
「だからさ沢田の告白をOKしたって聞いたときは本当にびっくりした。もう男の人と付き合うなんてないって思ってたから」
「俺も・・・純じゃなかったら付き合ってなかったかもな」
そう、純じゃなかったら・・・こんなに好きにならなかったんだよな。
「・・・純はね、そのことがあってから騙されるって事にすごく敏感になっちゃって。・・・翔太のことも初めは信じてなかったな。・・・今では楽しく話も出来るようになってきたけど」
翔太は初耳だったらしく
「え?そうなの?」
と聞いていた。
「そうよ。あれ?言ってなかったっけ?」
「聞いてねぇよ」
「そっか、ごめーん」
「まあ、いいけど・・・」
明らかに不満そうなんだが・・・許すのか。
そのくらい大きい心がないと未那とは付き合えないわな。
俺は純でよかったな。
話が終わり俺たちは店を出た。