恋〜彼と彼女の恋愛事情〜


騙されることに敏感になってる・・・か。

俺が罰ゲームでの告白だったって言ったら・・・泣かせちゃうんだよな。

あとからどんなに弁解しても、ただの言い訳にか聞こえないだろう。

別れる・・・・・・か・・・。

迷っているうちに日にちはどんどん過ぎていく。

廊下で富谷とすれ違うとき、言葉では言わなかったが薄ら笑いを浮かべていた。



・・・決めるか。


その日屋上に純を呼び出した。

何かを感じ取っているように俺を見ながら話す。

ごめんな。

こんなことでしか純を守れないなんて。

「純」

「なに?」

不安げな顔で返事をする。

俺が何を言おうとしてるのか・・・わかってるのか?


・・・嫌だ。

言いたくない。

終わりになんかしたくない。

「突然で申し訳ないんだけど」

ごめん。

ごめん。

ごめん・・・。






「別れて・・・ほしい」





違うよ。

別れたいなんて嘘だよ。

本当は嫌なんだよ。


俯いて何も言わなかった純が、ゆっくり口を開く。

「その・・・付き合ってる1ヶ月間に・・・嘘はなかった?」

騙されることに敏感になってるんだな。

嘘なんか、あるわけがない。

俺は本当に純が好きだ。






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