恋〜彼と彼女の恋愛事情〜
俺の返事を聞いて顔を見合わせる。
「すまなかったな暁。俺が罰ゲームなんて言わなければ・・・」
「洸一、気にすんな」
「でも」
「お前が言ってくれなかったら、純と付き合えなかったわけだし」
「え?」
「屋上でさ、罰ゲームはきっかけだって言ってたろ?」
「あ?言ってたっけ?」
おぼえてねーのか・・・。
「あれ聞いたとき、洸一は俺が純を気になってること、気がついてたんだろうなって」
「そうなんだよ!洸はすごいよね」
興奮すんなよ・・・聡。
「それで、背中を押してくれたんだろうなって。・・・だから感謝してるんだ」
「すごいよ2人とも!・・・俺、全く気がつかなかったよ」
目がキラキラしてるぞ・・・聡。
「そうか。・・・でも、もっと違ったやり方があったかなって思ってる」
「いや、これはこれで良かったんだよ。・・・純を諦めたわけじゃないし」
「わかった。・・・助けられることがあったら、いつでも言えよ?」
「おう。ありがとう」
「俺たちって本当に素敵な幼馴染よなぁ・・・」
妄想の世界に入ってるな・・・聡。
「それじゃ、妄想野郎はおいて帰ろうぜ」
「え!?洸ひどいよ。俺も一緒に帰る」
しっかり物の洸一と天然の聡に本当に助けられてるな。
洸一と2人だったら泣いて愚痴ってるかも。
聡の訳の分からない感じが、柔らかい雰囲気にしてくれるからな。
ありがとな。
「何か食べて帰るか・・・」
そんな話をしながら、俺の教室の前を通りかかったときだった。
「お願い!やめて」
・・・ん?
・・・純の声?
聞き間違えるはずがない。
「ちょっと、待ってくれ」
俺は2人を小声で呼び止めた。
「ん?どうした?」
俺の声に反応して2人が止まる。
「教室に、純がいる」